静電気屋とホコリ屋
従来、静電気対策と異物対策は、まったく別の次元の話しであった。「静電気問題は静電気
屋に聞け、異物問題はフィルタ屋に聞け」というのが世間通年であった。しかし、静電気対策と異物対策は、実は切ってもきれない関係にある。
異物問題を考えていない静電気対策は用をなさないし、逆に、静電気問題を考えていない異物問題も用をなさない。異物が静電気によって
吸着していることを考えれば自明の理だ。
第3の静電気×ホコリ屋が登場
今まで静電気対策と異物対策をまとめて取り上げる事業者は存在しなかった。TRINCは
1998年の段階でこのことに気づき、以来、新しい手法と装置を開発しつつ、新しい考え方の啓蒙活動に取り組んできた。
液晶やタッチパネル、デジカメが普及して世界中の工場が大混乱
ブラウン管の時代はよかった。真空管は静電気に強いし、真空管内部のホコリ問題もなかった。
近年、タッチパネル、デジタルカメラなどが登場した。これえらは、大気中で作り、大気中で使うため、大気に含まれるホコリ問題が顕著化した。
工場は大混乱の状態になり理想空案で考える設計者と実際にモノづくりをする工場との間の大きな不信のギャップが発生したのである。
すたれた静電気対策−半導体が強くなった
2000年頃までは、触れると静電気によってすぐに壊れた半導体もさすがに設計ルールの進歩などにより、
最近は壊れにくくなった。半導体設計者にも余裕が出たのであろう、静電気対策やノイズ(EMI、EMC)対策なども、「元から絶
たなければダメだ」とばかりに強くてきれいな”石”が作られるようになった。
標準規格ESD無用に
そうなると、静電気の国際規格であるESDは出番を失った。弱い半導体の出現とともに作られた規格は
50年の時を経て、今、その役割を終えようとしている。すでに”お呪い”としての価値しかなくなったのである。
そして今、異物問題がクローズアップされて”お呪い”から、逆に”災い”にさえなっている。これにしたがって対策を実施すると、
異物不良が増えてしまうという厄介な規格である。しかも、このESDを拠り所に生活しているESDコーディネーターと言われる人たちは、
自らの職をかけて工場に対して静電気管理をさらに厳しくしようとしている。工場では理屈の分からない規格を強いられるため、
憤慨やるかたない。振り返れば、ESD規格を金科玉条のものとして崇めてきた半導体業界が、結果として異物対策に最も遅れてしまった。
活況の異物対策
これにたいし異物対策は活況を呈している。取り扱う電子部品は小型化され200分の1にまでなった。
チップ部品やデジタルカメラのセンサー(撮像素子)などがその代表である。そのため、今までは問題にならなかったご極小の異物も無視
できなくなった。機構部品も著しく精緻になり、精度上、外観上、わずかな微細異物であっても、厳しく追及されるようになった。
「毎日ホコリとの戦いである」という証言が実態を如実に物語っている。
新しいクリーン対策が必要
従来の常識では、この厳しい異物対策に対応できない。異物は静電気に吸着されることを考えれば、
静電気対策と異物対策を同時に考えなければ意味がないのである。静電気にもめげず、異物にもめげずに総合的なクリーン対策をすることが
必要である。従来、クリーンとは「異物がないこと」を指したが、本来は「静電気と異物の両方もないこと」が本当のクリーンなのである。
この新しい観念に建ったクリーン対策が求められている。
桁違いの効果
TRINC METHODは「静電気も一つの異物である」という新しい考えかたで対策手法を考え、新しい装置を開発してきた。
すでに15年の歳月が経ったが、その間、170回におよぶセミナーで、7000人以上の方々に訴え、多くのコンサルテーションを実施してきた。
その結果、多くの世親企業から地響き的な共感をいただき、大きな期待に背中を押される形で前進してきた。
新しい静電気・異物対策を導入してきた企業はそれぞれ従来の改善活動とはケタ違いの効果を手中にし、喜びも去ることながら、
それ以上に大きな驚きをもって受け入れられている。